日本の鉄道会社で働きたいと考えている外国人の方、または外国人材の採用を検討している会社の方へ。
この記事では、2024年3月から新しく始まった**特定技能「公共交通機関(鉄道)」**というビザ(在留資格)について、その目的、仕事内容、必要な試験、そして働くまでの流れをすべて分かりやすく解説します。
Q1 特定技能「公共交通機関(鉄道)」はどんな制度か

特定技能「公共交通機関(鉄道)」は、日本の鉄道の安全を守る仕事で、外国人が専門的なスキルを活かして働くための在留資格です。日本の鉄道会社での人手不足を解消し、社会インフラを維持するために作られました。
制度の目的とルール
日本の鉄道は世界でもトップクラスの安全性と正確性を持っていますが、その裏側を支える技術者(線路や車両の整備士)が不足しています。この制度は、この人手不足を解決することを最大の目的としています。
| 項目 | 特定技能1号(鉄道分野) |
| 日本にいられる期間 | 合計で最長5年まで(ビザを更新しながら) |
| 家族と一緒に住むこと | できません(夫や妻、子どもを呼ぶことはできません) |
| 制度の目的 | 日本の鉄道インフラの維持(労働力) |
Q2 特定技能「公共交通機関(鉄道)」でできる仕事
このビザでできる仕事は、乗客の命と安全を守るための、専門的な整備や点検の仕事に限定されています。
1. 鉄道の安全を守る3つの仕事
このビザで働く外国人は、次の3種類の仕事のどれかを担当します。どれも日本の鉄道の安全を守る、とても大切な仕事です。
| 仕事の種類 | どんな仕事か | 主な作業内容(例) |
| 軌道整備(きどうせいび) | 電車が走る**線路(レール)**を点検し、直す仕事。 | レールのゆがみや傷の確認、枕木や部品の交換、線路の下の石(バラスト)の調整。 |
| 電気設備整備 | 電車を動かすための電気設備や信号機を点検し、直す仕事。 | 電車の上にある電線(架線)の点検・修理、信号機や踏切の確認。 |
| 車両整備(しゃりょうせいび) | 乗客が乗る電車そのもの(車両)を点検し、修理する仕事。 | ブレーキやモーターの点検、車輪の確認、ドアやエアコンなどの修理。 |
2. 運転士や駅員にはなれません(注意点)
特定技能「公共交通機関(鉄道)」のビザでは、電車の運転士や車掌、駅の窓口などで働く駅員になることはできません。
これらの仕事は、高い日本語能力や、日本の法律で定められた国家資格が必要なため、この制度の対象外となっています。
Q3 働くための条件と給料(外国人の方へ)
あなたが特定技能「公共交通機関(鉄道)」のビザをもらって日本で働くためには、18歳以上で、決められた試験に合格する必要があります。
1. 合格が必要な2つの試験
| 試験の種類 | 試験の名前 | 必要なレベル |
| 技能試験 | 鉄道分野特定技能1号評価試験 | 軌道、電気、車両のいずれかの分野で、安全に働くための知識・スキルがあることの証明。 |
| 日本語試験 | JFT-Basic または JLPT | JFT-BasicでA2レベル以上、または JLPTでN4レベル以上。 |
注: 技能実習2号を良い成績で修了した人は、上の2つの試験が免除される場合があります。
2. 給料のルール:日本人と同じ
特定技能の制度では、「外国人の給料は、同じ仕事をしている日本人と同じか、それ以上にしなければならない」という法律のルールがあります。
- 安心してください:「外国人だから」という理由で給料が安くなることは絶対にありません。
- 残業代やボーナスなども、日本人と同じルールで支払われます。
3. 地域ごとの給料の目安(月給)
給料は、働く会社や地域によって変わります。
- 東京・大阪などの大都市:約20万円〜25万円
- 地方の都市:約18万円〜22万円
Q4 外国人を受け入れる会社の条件(会社の方へ)

日本の鉄道会社が特定技能の外国人を受け入れるためには、国が定めたルールを守り、外国人をサポートする義務があります。
1. 会社が守るべき大切なルール
- 給与の公平さ:日本人と同等以上の給料を支払うこと。
- 支援の義務:外国人の生活サポート(10項目)を必ずおこなう義務があります。(登録支援機関に委託も可能です)
- 直接雇用:外国人材と直接、雇用契約を結ぶこと。
2. 会社にとってのメリット
- 人手不足の解決:特に現場で働く若い人材を安定して確保できます。
- 即戦力の確保:試験に合格した、基本的なスキルと日本語能力を持つ人材を雇えます。
- 技術の継承:ベテラン技術者の持っている高い技術を、若い外国人材に教えて未来につなげることができます。
まとめ:特定技能「公共交通機関(鉄道)」の重要なポイント
特定技能「公共交通機関(鉄道)」は、働く外国人の方にとっても、日本の鉄道会社にとっても、非常に重要な制度です。
| 働く人(外国人)にとって | 雇う会社にとって |
| 安定した仕事(日本の重要なインフラ) | 人手不足を解決し、技術を継承できる |
| 日本人と同じか、それ以上の給料がもらえる | 支援計画の実行が義務(登録支援機関に委託可) |
| 軌道・電気・車両の整備の3つしか仕事ができない | 試験に合格した即戦力を採用できる |
日本の安全な鉄道を一緒に支える仕事に、ぜひチャレンジを考えてみてください。
