「特定技能の『素形材産業』は、どんな仕事をするの?」「このビザで働くために、どんな準備が必要?」と悩んでいませんか。
この記事を読めば、特定技能「素形材産業」の基本から、13の仕事のくわしい内容、必要な試験、会社が外国人をやとうときのルールまで、すべてがわかります。
むずかしい言葉をさけて、わかりやすく説明するので、外国人の方も、受け入れを考える会社の方も、安心して準備をはじめることができます。
Q1 特定技能「素形材産業」とはなんですか

「特定技能(とくていぎのう)」とは、日本の会社で働くための在留資格(ビザ)の一つです。働く人が足りない「人手不足(ひとでぶそく)」を解決するため、専門のスキル(技能)がある外国人のみなさんに日本で働いてもらうために作られました。
素形材産業(そけいざいさんぎょう)とは
素形材産業とは、自動車や家電、電車などのあらゆる製品に使う「部品の土台(もとになる部分)」をつくる、とても大切な産業です。
- **「素形材」**とは、金属(きんぞく)などの材料に熱をくわえたり、大きな力でおしたり、けずったりして、部品のもとになる形をつくる技術をいいます。
- この産業がなければ、日本の高い技術の製品はつくれません。日本のものづくりを根っこから支える、やりがいのある仕事です。
特定技能1号と2号
特定技能には「1号」と「2号」の2つのレベルがあり、素形材産業はどちらのレベルでも働くことができます。
| 種類 | 日本で働ける期間 | 家族といっしょに住めるか |
| 1号 | 合計で最大5年 | 基本的にはできません |
| 2号 | 更新すればずっと働ける | できます(夫や妻、子ども) |
Q2 素形材産業でできる13の仕事の内容
特定技能「素形材産業」のビザで働く外国人は、日本の「ものづくり」を支える13種類の専門的な仕事をします。
| 作業区分 | かんたんな説明 |
| 1. 鋳造(ちゅうぞう) | 金属をとかして型に入れ、自動車のエンジン部品などの形をつくる |
| 2. 鍛造(たんぞう) | 金属をたたいたり、強い力で押したりして、強く丈夫(じょうぶ)な部品をつくる |
| 3. ダイカスト | とかした金属を精密(せいみつ)な金型に高い圧力で流し込み、複雑な部品をつくる |
| 4. 機械加工 | 旋盤(せんばん)などの機械で金属のかたまりをけずったり、穴をあけたりする |
| 5. 金属プレス加工 | 大きな機械で金属の板を曲げたり、抜いたりして、部品の形をつくる |
| 6. 工場板金 | 金属の板を切ったり、曲げたり、溶接(ようせつ)したりして、箱のような立体的な製品をつくる |
| 7. めっき | 金属の表面に別の金属のうすい膜(まく)をつけ、さびを防いだり、見た目をきれいにしたりする |
| 8. アルミニウム陽極酸化処理 | アルミニウムの表面を丈夫にし、色をつける(アルマイトとも呼ばれます) |
| 9. 仕上げ | できた部品のふちの余分な部分(バリ)をとったり、表面をみがいてなめらかに整える |
| 10. 機械検査 | できあがった部品が、正しい大きさや形になっているかを精密にチェックする |
| 11. 機械保全(ほぜん) | 工場で使う機械がいつも正しく動くように、点検(てんけん)や修理をする |
| 12. 塗装(とそう) | スプレーガンなどの道具で製品に塗料(とりょう)を塗り、さびを防いだり、美しくしたりする |
| 13. 溶接(ようせつ) | 熱を使って金属の部品と部品をつなぎ合わせ、とても強く接合(せつごう)する |
Q3 特定技能になるために必要な試験と免除
特定技能「素形材産業」で働くためには、「技能」と「日本語」の2つの試験に合格することが基本ルールです。
合格が必要な試験
| 試験の種類 | 試験の名前 | 求められるレベル |
| 技能の試験 | 製造分野特定技能1号評価試験 | 13の仕事の中から、自分がやりたい仕事の試験を一つえらんで合格する |
| 日本語の試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-BASIC)または 日本語能力試験(JLPT) | JLPTの場合はN4以上のレベル(基本的な日本語を理解できるレベル) |
試験の免除(めんじょ)について
すでに日本にいて、「技能実習」のビザで働いている人は、次の条件を満たせば、試験を受けなくても特定技能に変わることができます。
- 条件:素形材産業に関係する仕事で、技能実習2号を最後までまじめにやりとげた人(良好に修了した人)。
- メリット:この条件を満たせば、技能試験と日本語試験の両方が免除されます。
Q4 特定技能の給料と転職のルール

給料についての大切なルール
特定技能のビザで働く外国人の給料は、法律で次のルールが決められています。
- ルール:同じ仕事をしている日本人と、同じかそれ以上の給料を払わなければならない。
- このルールがあるため、外国人だからといって給料が安くなることはありません。
転職(ほかの会社にうつること)のルール
技能実習とちがい、特定技能の外国人は転職が可能です。
- 条件:働く会社は変わっても、同じ仕事の分野(素形材産業)でなければなりません。
- 会社が働きにくい環境だったり、給料が不当に安かったりすると、外国人がより良い条件の会社にうつる可能性があります。
Q5 会社が外国人をやとうときのルールと義務
特定技能の外国人を受け入れる会社は、国が決めたルールを守り、外国人が日本で安心して働けるようにサポートすることが法律で義務(ぎむ)づけられています。
会社が守るべきこと
- 給料と契約:外国人の給料を日本人と同等以上にし、労働の法律をすべて守ること。
- 素形材産業の特別なルール:会社は「素形材産業特定技能協議会(きょうぎかい)」に必ず入らなければなりません。
外国人へのサポート(支援計画)
会社は「1号特定技能外国人支援計画」というサポートの計画を作り、以下の10のサポートをすることが法律で義務づけられています。
- 生活サポート:住む家を探す手伝い、銀行口座の開設、役所での手続きなど。
- 日本語学習:日本語教室の紹介や、勉強する機会を提供すること。
- 相談への対応:仕事や生活の相談にのり、必要なアドバイスをすること。
- 送迎やオリエンテーション:外国人が日本に来るときと帰るときの空港への送迎や、日本のルール、マナーを教えること。
(このサポートは、会社の担当者が直接行うか、「登録支援機関」という専門の会社にすべてお願いすることもできます。)
まとめ
この記事では、特定技能「素形材産業」について、くわしく説明しました。
- 素形材産業は、日本の「ものづくり」を支える、鋳造や溶接など13の仕事ができる大切な分野です。
- このビザで働くためには、技能試験と日本語試験に合格することが必要です。(技能実習2号を修了した人は免除されます。)
- 会社は、外国人に対して日本人と同等以上の給料を払うことや、手厚い生活サポートをすることが義務づけられています。
特定技能のルールをよく知ることで、会社と外国人がいっしょに日本の産業を強くしていきましょう。
