特定技能で働きたい外国人の転職をサポートします。あなたに合う仕事を一緒にさがしましょう。登録は無料です。

仕事で大切な言葉:「報告・連絡・相談」。

  • URLをコピーしました!

日本の職場で働き始めると、誰もが一度は耳にする言葉があります。それが**「報告(ほうこく)・連絡(れんらく)・相談(そうだん)」、通称「ほうれんそう」**です。

これは単なる形式的なビジネスマナーではありません。日本の組織において、仕事の質を高め、安全を確保し、そして何よりあなた自身の信頼を築くための、もっとも重要な「仕組み」です。野菜のほうれん草と同じ名前なので覚えやすいですが、その中身は日本のビジネス文化の根幹をなすものです。


目次

第1章:「ほうれんそう」はなぜ必要なのか

日本の組織において、情報は個人のものではなく「チーム全員で共有されるべき財産」と考えられています。なぜこれほどまでに「ほうれんそう」が強調されるのでしょうか。それには3つの大きな理由があります。

① 信頼関係の構築

自分の仕事が今どのような状態にあるかをこまめに伝えることで、上司や同僚は「この人は真面目に、責任を持って取り組んでいる」と安心します。言葉が完璧でなくても、「報告」を欠かさない姿勢そのものが、あなたの信頼(クレジット)になります。

② トラブルの未然防止(安全第一)

仕事にミスはつきものです。しかし、小さな異変を早めに「報告・相談」することで、大きな損害や、工場などでの労働災害(ケガ)を防ぐことができます。日本の職場では、「黙っていること」が最大の失敗とみなされます。

③ チームワークの強化

お互いの進捗(しんちょく)を知ることで、誰かが困っているときに「助け合い(フォローアップ)」が可能になります。一人の力ではなく、チームの力で成果を出すのが日本のスタイルです。


第2章:「報告(ほうこく)」――結果と経過を正しく伝える

「報告」とは、上司やリーダーから依頼された仕事が、今どうなっているかを伝えることです。

結論から話すのが鉄則

忙しい職場では、物語のように最初から話すのではなく、まず結論を伝えます。

  • 良い例: 「仕事が 終わりました。確認をお願いします。」
  • 悪い例: 「朝から始めて、途中で機械の調子が悪くなって、でも頑張って……(いつ終わるのかわからない)」

「ハサミの法則」で伝える

外国人従業員の皆さんは、以下の3つのポイントを意識すると、上司に正確に伝わります。

  1. は:はっきり言う。 「終わったと思います」といった曖昧な表現ではなく、「終わりました」とはっきり言い切ります。
  2. さ:さいごまで言う。 「〜なので……」と言葉を濁すと、相手は不安になります。「終わりました。次は何をしますか?」と最後まで伝えましょう。
  3. み:みじかく言う。 一文に情報を詰め込まないこと。「仕事が終わりました。ミスはありませんでした。確認してください」と短く分けます。

ミスをした時こそ「マッハ(超高速)」で報告

失敗したときに報告するのは勇気がいりますが、隠すと信頼を完全に失います。ミスに気づいた瞬間、「すみません、間違えました」と報告することが、あなたを守ることにつながります。


第3章:「連絡(れんらく)」――事実を素早く共有する

「連絡」とは、決定事項や予定、現在の状況などの「事実」を関係者に知らせることです。

自分の意見は入れない

連絡においてもっとも大切なのは、正確さです。そこに「たぶん大丈夫だと思う」といった自分の予測や意見を混ぜてはいけません。「〇〇さんが3時に来ます」といった事実だけを伝えます。

具体的な数字を使う

「少し遅れます」という表現は、人によって5分だったり1時間だったりします。

  • NG: 「少し遅れます」
  • OK: 「電車が止まりました。10分遅れます」 具体的な数字を出すことで、相手は次の行動を決めることができます。

「まで」と「までに」を使い分ける

期限を連絡する際、助詞の使い分けに注意が必要です。

  • 金曜日まで: 金曜日が終わるまで、その状態が続くこと。
  • 金曜日までに: 金曜日が来る前(あるいは金曜日の期限内)に、完了させること。 この一文字の違いで仕事の期限が変わってしまうため、再確認が必要です。

第4章:「相談(そうだん)」――迷ったらすぐに聞く

「相談」とは、自分で判断できない時や困った時に、周囲のアドバイスを求めることです。

「質問する権利」と「答える義務」

日本語を学ぶ外国人の皆さんには、わからないことを日本人に**「質問する権利」があります。そして、日本人の社員には、その質問に「答える義務」**があります。遠慮(えんりょ)して自分で勝手に判断してはいけません。

「んですが……」という魔法の言葉

相談を切り出すときは、「〜んですが、いいですか?」というクッション言葉を使うと、日本人は「あ、助けが必要なんだな」とすぐに察してくれます。

  • 例: 「この機械の使い方が わからないんですが、教えてもいいですか?
  • 例: 「体調が 悪いんですが、少し休んでもいいですか?

自分で抱え込まない

日本の職場では「勝手な判断(独断)」がもっとも嫌われます。少しでも「あれ?」と思ったら、すぐに「相談してもいいですか?」と声をかけましょう。


第5章:企業が「ほうれんそう」を定着させるポイント

外国人を雇用する企業の皆さんは、彼らが「ほうれんそう」をしやすい環境を、戦略的に作っていく必要があります。

「やさ日3文クッキング」の活用

専門用語や職場のルールを説明する際、長々と話しても伝わりません。短い3つの文で本質を伝える練習を、日本人社員側も行いましょう。

  • 例:源泉徴収(げんせんちょうしゅう)とは?
    1. あなたが国に払う税金です。
    2. あなたの代わりに会社が国に払います。
    3. 会社はそのお金を、あなたの給料から引きます。 このように短く区切ることで、「ほうれんそう」の内容も明確になります。

「察してほしい」を捨てる(言語化の徹底)

日本特有の「言わなくてもわかるだろう(ハイコンテクスト)」という期待は、外国人には通用しません。依頼する内容も、断る理由も、すべて明確な言葉にして最後まで伝える必要があります。 「ほうれんそう」の基礎である「ハサミの法則」を、職場の安全を守るAED(自動体外式除細動器)と同じくらいの**「全員が知っておくべき共通の常識」**として、社内で徹底してください。

心理的安全性を高める「笑顔」

従業員が報告に来た際、忙しそうに怖い顔をしていると、彼らは「相談」をためらうようになります。どんなに忙しくても、一旦手を止めて「どうしたの?」と笑顔で応じること。その「聞き手」の姿勢が、組織の「ほうれんそう」の質を決めます。


第6章:まとめ――言葉の壁を越える「信頼のほうれんそう」

日本で働く外国人にとって、「ほうれんそう」を正しく行うことは、流暢な日本語を話すことよりも価値があります。それは周囲に「私はプロとして責任を持って働いています。チームの一員です」という強いメッセージを届けることになるからです。

  • 外国人の方へ: 日本語が完璧でなくても、全く問題ありません。今の状況がどうなっているかを「はっきり・さいごまで・みじかく」伝え続けてください。あなたのその「ほうれんそう」が、あなた自身の安全と将来を守ります。
  • 企業の方へ: 従業員からの小さな「相談」や「報告」を大切にしてください。彼らの声を笑顔で受け止め、「やさしい日本語」で打ち返してあげることで、あなた自身が外国人従業員から「この人についていけば安心だ」と思われる、頼れるリーダーになってください。

「ほうれんそう」という言葉のキャッチボールが、国籍の壁を越えた強いチームを作り、日本の多文化共生社会を支える土台となります。


次にできること:今日から始める「ほうれんそう」チェック

今日、仕事が終わる前に以下の3つをやってみましょう。

  1. 上司に「今日の仕事が終わりました」と報告しましたか?
  2. 明日休む人や、予定が変わった人に「連絡」をしましたか?
  3. 少しでも不安なことを、同僚に「相談」しましたか?

この習慣が、あなたの日本での成功を約束します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

外国人のみなさんが、安心して日本で働けるように情報を発信しています。外国人の仕事さがしをサポートしていますので、お気軽に転職相談してください。

目次