日本で生活し、働いている外国人の皆様、そして外国人をやとっている、またはこれからやといたいと考えている会社の皆様へ。
日本で暮らす外国人にとって、在留カードはただの身分証明書ではありません。それは、日本に正しくいられること、そして日本で働く権利があることを証明する、命の次にかかると言ってもいいほど大切なカードです。
この記事では、在留カードの役割や、守らなければならない法律のルール、会社が気をつけるべきポイントについて、詳しく説明します。この記事を読んで、在留カードについての不安をなくし、日本での生活や仕事をより安心なものにしましょう。
1. 在留カードとは何か:日本生活を支える一番の基礎

在留カードは、日本に3か月よりも長く住む外国人に対して、国(出入国在留管理局)が発行するカードです。
このカードには、その人がどのような資格で日本にいて、どのような仕事ができるのかがすべて記録されています。日本で生活を始めるとき、たとえば市役所で住民票を作ったり、健康保険に入ったり、銀行で口座を作ったりするとき、最初に出さなければならないのがこの在留カードです。
外国人の方にとっては、自分が正しく日本にいる人間だと証明するための唯一の手段です。会社にとっては、その人をやとって法律違反にならないかを確認するための、一番信頼できる書類です。
2. 在留カードに書かれている情報の見方
在留カードの表と裏には、偽造(ぎぞう)を防ぐための特別な工夫がされており、重要な情報がたくさんつまっています。
カードの表面で見るべきところ
表面には、基本的なプロフィールと今の状態が書かれています。
- 氏名、生年月日、性別、国籍・地域: その人がだれであるかを確認します。
- 住居地: 今、実際に住んでいる住所です。
- 在留資格: 日本で何をするためにいるかです。特定技能や技術・人文知識・国際業務など、活動の目的が書かれています。
- 在留期間の満了日: いつまで日本にいてよいかの期限です。この日を1日でも過ぎて日本にいると、不法残留(ふほうざんりゅう)になってしまいます。
- 就労制限の有無: 働けるかどうかが書かれています。就労制限なしならどんな仕事でもできます。在留資格に基づく就労活動のみなら、決められた仕事だけができます。就労不可なら、働くことはできません。
カードの裏面で見るべきところ
裏面には、カードが作られた後の新しい情報が書かれます。
- 住居地記載欄: 引っ越しをした後の新しい住所が、市役所のスタンプと一緒に書かれます。
- 資格外活動許可欄: 留学生などがアルバイトをする許可をもらったときに、ここに1週間に28時間以内などと書かれます。
- 在留期間更新許可申請中: ビザの更新手続きをしているときに、このスタンプが押されます。
3. 外国人が守らなければならない法律の義務
日本には在留カードに関する厳しい法律があります。これを知らないと、思わぬトラブルになることがあります。
常に持ち歩く義務(常時携帯義務)
日本に住む外国人は、外出するときにはいつも在留カードを自分の手元に持っていなければなりません。これは法律で決まっています。
財布を忘れた、近くに買い物に行くだけだったという理由は通用しません。もし警察官にカードを見せるように言われたときに持っていないと、最大で20万円の罰金を払わなければならなくなることもあります。寝るとき以外は、常に自分のそばに置いておく習慣をつけましょう。
見せる義務(提示義務)
警察官や入管の職員からカードを見せるように言われたら、それに応じなければなりません。正当な理由なく見せることを拒むと、法律違反として罰せられることがあります。
無くしたときの再交付の手続き
もしカードを無くしてしまったり、盗まれたりしたときは、気づいた日から14日以内に出入国在留管理局へ行って、新しいカードを作ってもらう申請をしなければなりません。
4. 会社が外国人をやとうときに行うべき確認
会社は、外国人を採用するときに、在留カードを正しく確認する責任があります。これを怠(おこた)ると、会社そのものが罪に問われることがあります。
必ず原本を確認する
面接のときなどは、カードのコピーではなく、必ず実物(原本)を見せてもらってください。光に当てて色が変わるか、ホログラムがあるかなど、本物かどうかをしっかり確認します。
最近では、スマートフォンのアプリでカードの中にあるICチップの情報を読み取り、本物かどうかを確認できる在留カード等読取アプリが国から提供されています。会社はこれを使って確認することをおすすめします。
資格と仕事内容が合っているか
たとえば介護の在留資格を持っている人を、自動車の整備の仕事でやとうことはできません。その人の持っている在留資格で、自社の仕事ができるかどうかを、入管のホームページなどで確認しましょう。
5. 会社による継続的な期限の管理
在留カードには期限があります。会社はやとった後も、その期限をしっかり管理しなければなりません。
不法就労助長罪にならないために
期限が切れた人を働かせ続けることは、たとえ知らなかったとしても不法就労助長罪という重い罪になる可能性があります。会社は社員全員の在留期限をリストにして、期限が切れる3か月前には本人に知らせ、更新手続きを促(うなが)すようにしましょう。
更新中の扱いについて
ビザの更新手続きを済ませると、カードの裏面に申請中というスタンプが押されます。このスタンプがあれば、もし手続き中に元の期限が来てしまっても、結果が出るまでの間(最大2か月間)は、引き続き働いてもらうことができます。会社はこのスタンプも必ず確認してください。
6. 日常生活で在留カードが必要な場面
在留カードは、日本でふつうに生活するために欠かせないものです。これがないと、社会のさまざまなサービスを受けることができません。
銀行で口座を作るとき
お給料をもらうために銀行で口座を作るとき、在留カードがなければ手続きができません。また、カードの期限が切れると口座が使えなくなることもあるので注意が必要です。
スマートフォンの契約
携帯電話やスマートフォンを契約するとき、自分を証明する書類として必ず求められます。
部屋を借りるとき
アパートやマンションを借りる契約をするときも、不動産会社や大家さんに在留カードを見せなければなりません。
行政の手続き
市役所で住所を変えたり、印鑑登録(いんかんとうろく)をしたり、子供の学校の手続きをしたりするときも、必ず提示を求められます。
このように、在留カードがなければ日本で生活を便利に進めることはほぼ不可能です。
7. もし在留カードを無くしてしまったら
万が一、カードを無くしてしまったときは、つぎのステップで素早く行動してください。
- 警察へ行く: 近くの警察署や交番へ行き、紛失(ふんしつ)の届け出をします。そこで受理番号をもらってください。
- 会社へ知らせる: もし仕事中に警察から質問されたときにカードがないと困りますし、再発行の手続きを会社がサポートしてくれることもあります。
- 入管へ行く: 14日以内に、住んでいる場所を管轄(かんかつ)している出入国在留管理局へ行き、再発行の申請をします。その日のうちに新しいカードを受け取れることが多いです。
8. 住所が変わったときの手続き
引っ越しをして住所が変わったときは、14日以内に新しい住所の市役所へ行って、住所の変更(転入届)をしなければなりません。
市役所の窓口で在留カードを出すと、裏面に新しい住所を書いてくれます。これを忘れると、国や入管からの大切なお知らせが届かなくなり、在留資格の取り消しなどの原因になることもあるので、絶対に忘れないでください。
9. 会社ができるサポートと配慮
会社は社員がルールを守れるように、つぎのようなサポートをすることをおすすめします。
- 定期的な確認: 3か月に一度くらい、在留カードの期限や、裏面に新しい住所が書かれているかを確認する機会を作りましょう。
- 相談窓口を作る: 更新の手続きがわからないときや、カードについて不安なことがあるときに、すぐに会社に相談できる環境を作っておきましょう。
- やさしい日本語での説明: 入社したときに、在留カードをいつも持っていなければならない理由や、無くしたときの手続きについて、わかりやすく教えてあげてください。
10. まとめ:在留カードの管理は信頼の土台です

在留カードを正しく扱い、常に持ち歩くことは、外国人社員にとっては自分の生活と権利を守るための自衛手段です。そして会社にとっては、法律を守り、社員を大切に守るための義務です。
- 外国人の皆様へ: 在留カードはあなたの日本での生活を支える一番の味方です。財布やカード入れなど、決まった場所にいつも入れて、肌身離さず持っておきましょう。
- 会社の皆様へ: 社員の在留カードの状態を把握(はあく)することは、彼らが日本で安心して働けるように支える第一歩です。
お互いにルールを正しく理解し、定期的に確認し合うことで、長く安心して働ける良好な関係を築いていきましょう。
たとえ話:日本社会を走るための公式ライセンス
在留カードをいつも持つことは、日本という大きな社会という道路を走るための特別なライセンス(免許証)を身につけているようなものです。
スポーツの試合に出る選手が、自分がルールを守って参加している証拠(しょうこ)として選手証を必ず持っているのと同じです。もしそのカードがなければ、どれほど仕事の技術が素晴らしくても、試合(仕事や生活)に参加し続けることができません。
このライセンスは、あなたが日本で努力し、認められた証でもあります。どうか大切に、いつもあなたのそばに置いておいてください。
Q&A:よくある質問
Q:在留カードを家に忘れて警察に止められたらどうなりますか? A:その場ですぐに大きな問題になることは少ないですが、警察署まで同行を求められたり、後日罰金を払うことになったりする可能性があります。自分の身を守るために、忘れずに持ち歩きましょう。
Q:在留カードの期限がもうすぐ切れます。いつから更新できますか? A:期限の3か月前から手続きができます。書類をそろえるのに時間がかかることもあるので、3か月前になったらすぐに準備を始めるのが一番安心です。
Q:在留カードのコピーでも身分証明になりますか? A:いいえ。コピーでは常に携帯していることにはなりません。必ず実物を持っていてください。
この記事の内容について、さらに詳しく知りたい場合や、具体的な手続きで困ったときは、いつでも専門家や出入国在留管理局の相談窓口に問い合わせてください。
次は、自分のカードの裏面を見て、住所が最新のものになっているか、今すぐ確認してみませんか。
