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家や特別な場所で靴をぬぎます。

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日本で生活し、働く上で避けて通れない習慣の一つが、**「建物に入る際に靴を脱ぐ」**という文化です。

海外の多くの地域では、家の中でも靴を履いたまま過ごすことが一般的ですが、日本では全く異なります。これは単なる好みの問題ではなく、高温多湿な日本の気候の中で住環境を清潔に保ち、心身をリラックスさせ、さらには「公(おおやけ)」と「私(わたくし)」を区別するための非常に重要な社会的ルールです。


目次

1. 日本の住まいと「玄関(げんかん)」の役割

日本の建物には、入り口に必ずと言っていいほど**「玄関(げんかん)」**と呼ばれるスペースがあります。ここが、外の世界と家の中をつなぐ重要な場所です。

境界線としての「段差」

日本の玄関には通常、小さな段差があり、家の中の床が一段高くなっています。この段差は単なるデザインではありません。「ここからは土足で入ってはいけない」という明確な境界線です。

  • 基本的な動作: 段差の下(土間:どま)で靴を脱ぎます。その後、靴下(または素足)の状態で段を上がって家に入ります。
  • 脱ぐタイミング: 段の上に足を乗せてから靴を脱ぐのではなく、段の下で靴を脱ぎ、そのまま足を上の床に乗せるのがスムーズな所作です。

なぜ靴を脱ぐのか?(衛生面への配慮)

日本は雨が多く、湿気が高い国です。外を歩いた靴には泥や埃、雑菌がついています。これらを家の中に持ち込まないことで、床の上で座ったり、布団を敷いて寝たりする日本の伝統的な生活スタイルを清潔に維持しているのです。


2. 靴を脱がなければならない「特別な場所」

個人の家だけでなく、公共の場や職場でも、靴を脱ぐ必要がある場所は意外とたくさんあります。

学校や教育施設

多くの日本の学校(小学校から高校まで)では、校舎の入り口に大きな下駄箱があります。ここで外履きを脱ぎ、**「上靴(うわぐつ)」や「上履き(うわばき)」**と呼ばれる室内専用の靴に履き替えます。

伝統的な施設や和室

  • お寺や神社: 建物の中(本堂など)に入る際は、靴を脱いで上がるのが基本です。
  • 旅館: 畳(たたみ)の部屋がある旅館では、入り口で靴を預けます。
  • 畳のある飲食店: 居酒屋や和食レストランなどで、床が畳や板張りの場合、入り口で靴を脱ぎます。

病院や福祉施設

全ての病院ではありませんが、個人のクリニックや歯科医院などでは、入り口でスリッパに履き替える場所が多くあります。

お風呂や温泉

公共の浴場や温泉施設では、脱衣所に入る前に必ず靴を脱ぐ場所があります。裸になる場所を清潔に保つため、最も厳格に守られるべきルールの一つです。


3. 職場における靴のルール

企業の担当者は、自社の環境(工場、オフィス、休憩室など)に合わせて、以下のルールを具体的に伝えてください。

更衣室(こういしつ)での着替え

工場や現場仕事では、安全確保や衛生管理のために、更衣室で作業服に着替える際、同時に靴も「安全靴」や「作業靴」に履き替えるのが一般的です。

  • 指導ポイント: どこまでが「外靴(そとぐつ)」のエリアで、どこからが「内靴(うちぐつ)」のエリアかを、床の色を変えたり線を引いたりして視覚的に示しましょう。

土足厳禁(どそくげんきん)

事務所の一部や休憩室、畳のスペースが**「土足厳禁(土足禁止)」である場合、「ここで靴を脱いでください」**とはっきりと伝える必要があります。曖昧な指示はトラブルの元になります。


4. 企業が外国人従業員に教えるべき「作法とマナー」

靴を脱ぐことに慣れていない従業員には、ただ「脱ぐ」だけでなく、その後の「美しい振る舞い」までセットで教えると、本人にとってもプラスになります。

① 靴の揃え方(そろえかた)

脱いだ靴をそのままバラバラにしておくのは、日本では「行儀が悪い(マナーができていない)」と見なされます。

  • マナー: 次に出る人が履きやすいように、靴のつま先を出口に向けて揃えて置くのが礼儀です。
  • 指導例: 「靴を 脱いだら、向きを 揃えて ください。次に 履く人が 気持ちいいです。」

② 靴下のマナー

靴を脱ぐ場面が多い日本社会では、靴下は非常に目立ちます。

  • 身だしなみ: 「穴の開いた靴下」や「汚れた靴下」を履いていると、本人が恥ずかしい思いをすることになります。これも一つの身だしなみとして、優しく伝えてあげることが親切です。

③ 「ハサミの法則」で伝える

難しい言葉を使わず、シンプルに指示します。

  • (例) 「玄関の段差の下で靴を脱いで、揃えて置いてください」
  • ハサミ(はっきり・さいごまで・みじかく): 「ここで 靴を 脱いで ください。靴を 揃えて 置いて ください。」

5. 外国人が「戸惑いやすいポイント」への配慮

日本特有の細かな使い分けが、混乱を招くことがあります。

スリッパの使い分けと「トイレスリッパ」

日本の家や施設では、室内用スリッパとは別に**「トイレ専用のスリッパ」**を置いていることがあります。

  • よくある失敗: トイレのスリッパを履いたまま廊下に出てしまう、あるいは自分のスリッパのままトイレに入ってしまうこと。
  • 対策: 「トイレの中だけ 使う スリッパです。外に 出ないで ください」と、理由を添えて説明しましょう。

視覚情報の活用(サインのデザイン)

言葉の壁を越えるためには、イラストや写真が最も有効です。

  • 掲示: 「靴を脱ぐ」「靴を揃える」などの動作をイラストにしたポスターを、脱ぐ場所に貼っておきましょう。これにより、何度も注意するストレスが双方で軽減されます。

まとめ:靴を脱ぐことは「信頼」の第一歩

「靴を脱ぐ」という行為は、日本での生活を円滑に進めるための「入り口」のマナーです。これを受け入れることは、日本の文化やルールを尊重しているという意思表示になります。

外国人の皆様へ

日本には、多くの「靴を脱ぐ場所」があります。判断に迷ったら、**「床が一段高くなっている場所」や、「スリッパが置いてある場所」**を探してみてください。そして、周りの日本人がどうしているか、よく観察してみましょう。靴を脱いで足をリラックスさせる習慣は、慣れてしまえばとても気持ちが良いものですよ。

企業の皆様へ

靴を脱ぐルールは、日本人にとってはあまりにも「当たり前」すぎて、説明を忘れがちです。しかし、外国人にとっては人生で初めて経験するルールかもしれません。 **「やさしい心」と「やさしい日本語」**を持って、「なぜ脱ぐのか」「どこで脱ぐのか」を丁寧に共有してください。その配慮が、従業員との信頼関係を深め、働きやすい職場環境を作る第一歩となります。


次にできること:職場チェック

明日、職場の入り口をチェックしてみませんか?

  • 靴を脱ぐ場所に、分かりやすいマークやイラストはありますか?
  • 靴を揃えるための「足跡のマーク」を床に貼ってみてはいかがでしょうか?

このような小さな工夫が、多文化共生を成功させる鍵となります。

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この記事を書いた人

外国人のみなさんが、安心して日本で働けるように情報を発信しています。外国人の仕事さがしをサポートしていますので、お気軽に転職相談してください。

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